CCDF

CCDF とは

相補累積分布関数(CCDF: Complementary CDF) は、 ある確率変数 $X$ が「ある値より大きい」確率を示します。

$$ \bar{F}(x) = P(X > x) = 1 - F(x) $$

  • CDF の補集合(全体から差し引く)
  • 「まだ起きていない確率」「生存確率」などに応用

定義

$$ \bar{F}(x) = 1 - \int_{-\infty}^{x} f(t)\,dt $$

  • 累積確率を 1 から引いたもの
  • CCDF は下降曲線(右へ行くほど減る)

特性

条件 説明
$0 \leq \bar{F}(x) \leq 1$ 確率なのでこの範囲内
$\bar{F}(-\infty) = 1$ 最小では 1(必ず超える)
$\bar{F}(\infty) = 0$ 最大では 0(超えない)
単調減少 $x$ 増加で確率減少

グラフ例(Python)

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import invgauss
 
x = np.linspace(0.01, 5, 200)
ccdf = 1 - invgauss.cdf(x, mu=1)
 
plt.plot(x, ccdf, label="CCDF")
plt.title("逆ガウス分布の CCDF")
plt.xlabel("x")
plt.ylabel("1 - F(x)")
plt.grid(True)
plt.legend()
plt.show()

CDF との比較

名称 意味 指標
CDF 以下の確率 積分値
CCDF 超える確率 1 から CDF を減算

応用(ERI)

  • Δt(発生間隔):
    • 「一定時間以上地震が起きない確率」を評価
  • Energy(エネルギー):
    • 大地震の発生確率(しきい値超え)を可視化
  • ハザード関数や信頼性解析との連携に使われる

まとめ

  • CCDF = 1 − CDF(超過確率)
  • 減少カーブで、右に行くほど小さく
  • しきい値超えや「まだ起きてない」事象の解析に有効
  • ERI 分析では Δt・Energy 系列にて重要な指標

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